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小スズメが来た秋分の日


台風一過…9月二度目となる三連休初日、9/23(秋分の日)のこと、その日は休日なので、明るいうちに小雪丸を連れて夕刻の散歩に出た。そして時間もあるので、出来るだけ小雪丸にコースを選ばせ、好きな方向に歩かせるようにしていた。そのこともあって、普段とは違う時刻に、普段とは違う方向で馴染みの道も歩くことになった。

ともかく問題の場所は、私ではなく「小雪丸の意思が選んだ結果」だった。その場所には、小さな雀の死骸が…いわゆる「天ヘソ」の状態でころがっていた。いや、私は死骸だと思ったのだ。野鳥が普通、腹を見せて仰向けに横たわっていることなどあり得ないから。小雪丸がそれを嗅ぎ、場合によっては前足をかけるかもしれなかった。暗ければそれを阻止することもできなかっただろう。

幸いにして、まだ日没までには時間もあり、このときだけは殆ど同時に見つけたのだと思う。とっさにリードを引き寄せ、不憫なことと覗き込んだそのとき。真新しい死骸だとばかり思っていたその雀の閉じられた瞼が突然開いた。その目が一瞬何かを訴える。思わず手を伸ばすが、小雪丸の行動範囲を遠ざけて接触することは不可能だった。

そこでやむなく小雪丸を近隣の柵に繋ぎ、それから雀の上にしゃがみこんだ。そして手を伸ばすと、意外にもそれは跳ね起きて逃げようとする。二三度の試みで、その雀はやおら数m離れた場所まで低空で飛んだ後、再び地面で横たわった。よく見られる「蝉が地面に落ちたとき」のようだと思った。



いずれにせよ、路肩にそのままでは極めて危険なので、近くの児童公園の茂みに移そうと思った。その時点では、そうして運を天に任せる選択もないではなかった。だがしゃがんで短時間の観察を続けるうちに、この雀は明らかに足に障害のあることも見て取れるようになった。そして、この付近の公園にはノラ猫が非常に多い。小雪丸の散歩でも暗がりの茂みに潜む彼らには、日夜迷惑のかけられ通しだった。鳥は夜目がきかず、まして足が不自由というのであれば、それは半日以内の死刑宣告と何ら変わるものではない。

そう思ったとき「保護して持ち帰ろう」と決めるのには数秒とかかるまい。その決断は早かったものの、問題は「その方法」だった。何しろ両手は2本のリードで塞がっている。ウエストバッグは装着していたものの、中身は満載で隙間もない。ポケットには携帯他の携行品で埋まっている。どこにも弱った雀を保護して持ち帰るゆとりがないのだ。

この出会いも偶然…普通ならそこで万事休す…なのだが、神様(私は無心論者ですが)は、ちゃんと、もうひとつの偶然を用意してくれているから不思議だ。その日の私は休日でもあり、滅多に着たことのないTシャツを着ていた。そして幸いなことに、そのTシャツには胸ポケットがある!

この幸運に感謝しつつ、そして狭い隙間でどうかと思いつつ、私はその小雀を胸ポケットに、そっと押し込んでみた。暴れて飛び出すか、へたに身をよじって翼を傷めないかと案じつつも…
ところが彼は(彼女かもしれないのだが)身じろぎもせずに、じっとおとなしくポケットに収まっている。小鳥の体温は高い。薄い生地を通して伝わってくる温もり。
この小さな命が生きているのだと思った。

それから細心の注意を払いながら、残りの散歩コースを短めに周り、無事に自宅までたどり着くと、早速、とりあえず大きな菓子箱にテッシュなどを敷き詰めて、その雀を放した。案の定、羽ばたくが、ベタ足では床にうまく停止できない。飛翔は充分に出来るが、着地後に障害がある。やはり足が悪いことは間違いないのだと思った。一時的なマヒとも考えたが、それについてはあまり期待できなかった。



我が家では以前にも道端で(先代ユキの散歩中に)仮死状態のカワラヒワを拾って保護したことがある。そのときの症状は窓ガラスにでも激突したのだろうか?脳震盪状態で朦朧としていたときだったのである。このケースでは後日、無事放鳥することが出来たのだったが…

話を雀に戻すと、ともかく暴れる元気は見られるのでホッとしながらも、詳しく観察するのは翌日にして、ちょうど日没も過ぎたので、その日は、そのあつらえの菓子箱の中で寝かせることにした。空気抜きの隙間だけを空けて、暗所に移したのである。

翌朝、夜明けと共に、そっと静かな菓子箱を開けると、雀は伸ばす手をかい潜って、天窓付近まで飛び上がった。それでも足場は確保できずに羽ばたいている。そのままにも出来ず、椅子を持ってきて再び保護し、短時間の後に、以前、やはり保護したヒヨドリに使っていた鳥かごを探し出し、それに移して様子を見ることにした。

吸水は猪口のようなものに水を注いで置いてみたが、羽ばたいてひっくり返してしまう。粟粒のような餌についても同様である。だが幸いにも、人が退くと、床に散った餌だけは自力で啄ばんでいる。これは少なくとも幸運だと思った。

改めて嘴を観察すると、僅かに付け根の部分がまだ黄色い。推定で1ヶ月と少し…巣立って自力でやっと餌をとれる段階にあるところだと思った。8月の初め頃に生まれた若鳥ではないだろうかと。

さりとても、そうして給餌は可能なるも、水が課題だった。それで庭木の葉っぱを数枚千切って来て、それを洗って与えるなどした。濡れた葉から吸水してくれないかとの期待である。
(後にそれは脱脂綿に変わった)



いずれにせよ、そのまま放置も出来ぬと、近隣の動物病院に電話をかける。この日は三連休の中日でありながら、幸運なことに「土曜日」だった。そして幸いなことに小雪丸かかり付けの獣医もやっていたのである。休日だったことも幸いした、それで車に鳥かごごと積んで早速診察に出向いた。

医師の診たては「足が動かないのは生育時の栄養障害かもしれない」「ともかくビタミンを入れた水と抗生物質を少量与えて様子を見る」というものだった。それで、点眼スポイトに吸水用の水と、別スポイトには抗生物質の液体、それを処方してもらい、あとは我が家で様子をみることとなった。

冷蔵庫にあったミルワームも頂き、食べるようなら与えてみて…と言われたが、結論を言うならば、それはまだ上手く食べさせられずにいる。しかし吸水はもらった点眼スポイトで上手くできる。嘴に押し当てると何とか飲ませることができるのでホッとした次第だ。しかし…自力吸水ができないと毎回の手間が馬鹿にならない。家が無人になることもあるから、今後どうなるかで不安材料も多いことになる。

ともかく、そうして残る2日間の休日は終わった。週明け私は出勤なので、夜は帰宅後の様子を見ることが出来なかった。なぜなら私の帰宅時は、すでに真っ暗なのだから、改めて雀を起こすにはあたるまい。明朝、再開して、抗生物質などを投与しながら様子を見る。ともかく、この雀に「鈴」という名をつけることにした。

と…ここまでは昨日時点での状況であった。また一夜明け…さてネットなどでも、あれこれ調べてみると、この雀の病名…素人判断ながら以下のものではないかと思っている。

「栄養性脚弱症」この病気は差し餌から大人の餌に変わる時期の若鳥に多く発生する病気で、家庭用の文鳥などでも見られる病気という。野鳥の場合は同様にして充分な給餌がなされなかったものか?あるいは保護した日が、台風通過の翌々日だったこととも何らかの関係がないかとも思いながら、所詮想像の域を出ない。



そこにはこうも書かれている。「成長期にただのムキアワのみで餌付けをすれば栄養障害になる危険もあるので注意しなければならない」以下は再び抜粋である。

「例えばタンパク補充にきな粉(大豆)やフナ粉(魚)、B1補充にぬか(米)やビール酵母(大麦)、ビタミンD3補充に卵の黄身やフナ粉(塩分控えめの煮干し粉でも良いだろう)、カルシウム補充にボレー粉末やカトルボーン粉末、・・・こうした一般的で簡単に手に入る数ある選択肢の中から少しずつ混ぜれば良い。また、それらがいろいろ混ぜられた野鳥用のすり餌を利用しても良い」

そしてさらに「ビタミン、カルシウムの補給の為にも、青菜、ボレー粉などはよく食べさせるように」「小松菜なども効果がある」などとも書かれている。などなど…ともかくまだ暗中模索。場合によっては5年前、ヒヨドリ保護のときに通った埼玉県川口市の専門病院(池谷犬猫鳥の病院という)に一度連れて行くことも考えねばなるまい。

あるいは、以下のサイトなども参考になりそうだと思った。参考(足の障害)すずめっ子クラブWiki
http://bit.ly/nfOvHE

そこには、こんな記述も…「両足がグーのケースでは、とまり木にとまることが出来なくて長期保護になる事が多いようです。栄養バランスを整えることで改善する場合があります」
「足の力が弱く立って歩いたり、とまり木にとまることが出来ない。卵や雛の時の栄養不良が原因の場合、栄養バランスを整えることで改善する可能性があります」「特に保護されたヒヨドリがビタミン不足等により、この障害が出るケースが多いようです。ビタミン剤、セレンの投与を獣医に相談して下さい」などなど…



(ついでに 2011.09.24 小雪丸の城北公園散歩にて)

さて、もうひとつ不思議なことだが「鈴」はまだ一度も囀らない。足が動かないこととの因果関係も含めて、真相はまだ謎のままだ。それでも文鳥などの例では「鳴かない鳥は雌」といった記述も見られ、インコなどでも類似の表現が見られる。一般論で言えば、あくまで囀りの性別は種類や個体差との関連もあると書かれているものが多いようだが、一つの可能性としてみれば、「鈴」は雌なのかもしれない。

こうして、我が家では「青天の霹靂」…それも台風一過に、突然、両足の萎えた雀の若鳥を保護することになった。こうした経験は初めてではなく、過去に幾度かはあったが、今回は身近な雀であるにも関わらず、あれこれと試行錯誤することも多い。この出会い…果たしてどうなるのだろうか。唯一明らかなことは「もう後戻りは出来ない」ということ。「秋分の日」は思いがけない命を運んできたものだと思いながら、これも運命と受け入れるしかあるまい。

追記:本稿記載の翌日、ボレーや卵黄を含んだ顆粒状の餌と、青菜を充填した顆粒粉末とを購入してきた。今後はしばらくそれを粟粒などに混ぜて与えてみようかと思う。また給水は陶器で大き目の器を準備したので、しばらくそれに水を張って様子を見る。器の上には乗れるようなので、あとは自力で水を飲んでくれれば良いと期待しながら…




一期一会 | 02:11 | - | trackbacks(0)
しばらく休みます


(2011/01/01 元旦の日の出) 


新年早々ではありますが、諸般の事情にて、しばらくブログ関連を凍結します。更新はむろんですが、皆様へのコメントも当面、遠慮させていただくことになりそうです。理由は私自身の健康や仕事上の問題ではありませんので、ご心配には及びません。


ただ実生活では当面、多忙になると思われるので、そのためと言ってもよろしいでしょう。メンタルな一面もあります。むろん、これで終わりだと言っている訳ではありません。皆様のブログを拝見することもあるでしょう。ただし読み逃げとなりそうですが(笑)













いずれにせよ、落ち着けば必ず復帰します。しばらく冬眠するとでも、お考えください。今は自分自身のために、まとまった時間が必要なだけです。あるいは気まぐれに更新することも、ないとは断言しかねます。そのときは読んでくださいね(笑)。 See you!!



一期一会 | 03:11 | - | trackbacks(0)
大晦日、久しぶりのピグにて




久々にAmebaピグに来たら、年越し蕎麦が届いていました。
Pさん、ありがとう。今一段落しましたので、いただいております。
簡単ですが、皆様もどうぞ良い一年をお迎えください。
このあと、ユキ、小ユキ、ユキ丸と、ピグ紀州たちにも、
年越し餌を食べさせてからログアウトします(笑)



ピグだけでは何ですから、大晦日、朝散歩の最新小雪丸をご紹介しておきます。
Twitterに投稿した写真からの流用であるため、やや小サイズのままです。
右の小ユキは、いまやっと偽妊娠から抜け出したところで、換毛期にも入り、
やや痩せて見えるかもしれません。左のユキ丸はちょうど冬毛に変わったところ。
いずれも昨日シャンプーを済ませて、新年スタンバイです。


皆様、今年もありがとう。2011年もまた小雪丸共々、よろしくお願い申し上げます。



一期一会 | 20:43 | comments(3) | trackbacks(0)
失踪犬チャーコの足跡

  

(保護されて飼い主さんの元に帰ったチャーコ)


先月7/7に東京は世田谷区用賀で失踪した紀州mixのチャーコ。その45日間にわたる捜索が去る8/20にようやく終結した。それも無事保護という嬉しい結果となって。。。捜索に尽力された皆様、本当にお疲れ様でした。今回の失踪〜捜査〜発見に至る詳細は以下のブログに書かれている。

犬の幸せって??
http://itabasinoinutati.blog47.fc2.com/

ワンダーランド★スタッフブログ
http://wanwanderland.blog22.fc2.com/


そして、結果良しとなった今回の失踪の顛末記を、及ばずながら私自身も書き残そうと思った。けれども報告記事はすでに、多数のブログにも紹介されていることから、小雪丸日記では少し別の視点から、今回の失踪事件を振り返ってみたい。それはチャーコが辿った「足跡」についてである。


今回の失踪でチャーコがどのように移動して行ったのかが、私はとても気になっていたので、これまで公開された目撃情報をすべて地図上にプロットしてみた。そして、そこから時系列的には、ありえないと思われるものを除き、色分けをしてみたのである。


図中で緑色で示した部分がその除外された目撃情報を示している。結果論ではあるが誤認または「全く別の犬」が、もう1頭、同時期に彷徨っていたのかもしれない。その情報は出発点となった世田谷区用賀より北西に集中している(図の外側に当たるものは省略した)。




(寄せられた目撃情報をプロットしてみた。赤が有意なもの、緑がそれ以外)


残されたプロットが、今回チャーコが彷徨ったコースを示しているはずだと思う。そのプロットを赤色で示し、日数の順に応じて線で結んでみた。そして、以下にあくまで想像だがチャーコの歩いた道筋を示し、有意だった情報の地名と日時を追ってみたい。


7/7に失踪したチャーコが間違いなく通過したのは、7/26の目黒区自由が丘と7/31の目黒区武蔵小山のようだ。失踪直後のチャーコはたぶん、そのまま南東に向かい、およそ20日間をかけて世田谷区内を彷徨い、7/26に自由が丘で目撃されたあとは、目黒通りの西側を北東に向かった。


目黒通りは危険だが、それと平行して北に向かう東急東横線の沿線は、住宅街なので比較的静かな道ばかりだ(私は目黒区生まれなのでそれがわかる)。自由が丘の目撃が7/26で、目黒区(中町)の目撃が翌7/27となっているのは、それまでの移動期間から見て、そこだけ1日たらずで走破していることになり、特別に短いと思われるが、この間はわずか2駅半ほどの距離。人間が散歩がてらに歩いても1時間かかる距離ではない(何かの理由で追われて走ったかもしれない)。


その後チャーコは再び東南に向かい、森試の森公園付近を通過して、4日間ほどで、7/31に武蔵小山で目撃されている。おそらくその後は20日間ほど品川区内を彷徨いながら東進し、港区に入ったところで(8/19に?)保護されたのだろう。港区といっても品川区との境界付近だったのではないか?正確な場所までは私も聞いていないので、知るところではないが、五反田付近だったのだろうか。


今回のチャーコの失踪記録は、もしも都会で愛犬が失踪したときの一つのケースとして、およそ一ヶ月半(45日ほど)で、どれほどの距離を移動するものか?という疑問にも有意義な答えを与えるものだと思った。すべての失踪犬に関して、発見されたときは、このようなデータが添えられるならば、今後捜索する範囲の目処をつけるためにも有益だろう。


チャーコはとても臆病な犬だったから、普通の犬よりは移動範囲も小さかったのではないか。45日間の長期とはいえ、おそらく昼間は物陰に潜み、夜間だけで移動していたのかもしれない。この酷暑の夏にあって、それは臆病さが幸いした幸運な選択だったとも言えそうである。




(関係者の方々が隣接地域に配付するために作ったポスター)


今回の例で振り返ると、失踪中の45日間でチャーコが移動した距離は、始点〜終点までを結ぶと約10kmである。つまり臆病な犬ならば45日を経過しても「半径10キロ圏内にいる」ことになる。探す範囲の目安もその程度でよいのかもしれない。しかし活発な犬ならもっと動くだろう。それはある意味で危険も増すが、発見も容易となる。さてどちらが良かったのか。。。


私には今回の保護を知って、チャーコの臆病さが身を救ったのではないかと感じている。直線で10kmを移動する間に、果たしてチャーコは、自らの足で何キロを歩いたのだろうか?保護時に体重がそれほど変化していなかったのであれば、迷走の距離を見積もっても、せいぜい倍の20km程度であったのかもしれない。


目撃情報のプロットをあらためて見ても、自由が丘直後の移動以外では、いずれも数キロほどの距離を20日近くかけて移動しているようだ。夜間の2〜3時間ずつが日課となっていたのかもしれない。


さて、およその経路はわかったものの、私にはまだチャーコに聞いてみたいことが一つだけ残っている。それは、この45日間の食餌をどうしていたかである(水は側溝の水などを飲んだのだろうか。多少雨の多い時期もあったことが幸いしたものか?)。元気に保護されたことから見ても、幸い危険なものは口にしなかったようだ。しかし炎天下のもと、腐敗したものも口にしたかもしれない。それでも大丈夫だったとすれば、やはりチャーコには「板橋の犬たち」の加護があったものかと思いたくもなる。不幸にして失われた(同胞の)犬たちが、守ってくれたものと信じたい気持だ。

生還おめでとう>チャーコ!!



一期一会 | 17:52 | comments(5) | trackbacks(0)
正丸峠遺棄死体の共同墓地・献花式にて




正丸峠遺棄死体の共同墓地が完成した。「正丸峠に犬の大量遺棄死体 2010.03.31」http://dog.kishu.us/?eid=200 と題した記事を、初めてこのブログに書いた日から、ほぼ4ヶ月が経過したことになる。このときはまだ事件の全容は謎に包まれていたが、その後、急転直下、飯能市内の火葬業者による遺体遺棄事件であることがわかり、犯人逮捕・起訴、マスコミ報道、被害者の会の結成、遺骨回収作業、共同墓地の設立とめまぐるしく事態は進展した。


「伴侶動物死体遺棄、被害者の会 公式ブログ」
(すでに献花式の記事が出ている)
 http://doubutuinochi.blog106.fc2.com/


そして昨日(7/25)は、ようやく完成した共同墓地における「献花式」の当日だった。被害者の会より事前のお知らせも頂き、ひとつの節目とも思うところあって、私も参加させていただくことにした。今回の事件を、一番最初に私に教えてくださった紀州仲間「さくらセンパイ」のご夫婦も同行されるという。偶然ではあるが、我々は同じ町内に住んでいるのだ(笑)。


「拝啓 さくらセンパイ」
(こちらにも、すでに献花式の記事が出ている)
 http://ameblo.jp/haikei-sakura-senpai/entry-10600918702.html


新しい共同墓地の場所は、埼玉県毛呂山の「武蔵野ペット霊園」である。車で行くとおよそ90分ぐらいの距離になるので、11時の開催に向けて練馬を午前9時に出ることにした。余談ではあるが実は若干、道に迷った。ご主人の適切なナビゲートのお陰で事なきを得たものの、私一人であったならば、あるいは遅刻していたかもしれない(笑)。





事件のあった正丸峠(A:飯能市)と、この武蔵野ペット霊園(B:毛呂山)とは、直線で約15kmの比較的至近距離にある(GoogleEarthの地図を参照)。本当は現場に共同墓地を建てたいというのが、被害者の会の方々の意向であったが、行政の許可が出なかったとも聞かされている。そうした思いへの配慮かもしれない。


共同墓地の場所は、新しく造成されたエリアらしく、一般の墓石の並ぶ奥にあって、鮮やかな芝生に囲まれていた。大きな墓石の前に献花台を設けテントが張られている。すでに沢山の花が置かれていた。墓石に刻まれた墓碑銘には「永遠に愛する命〜ここに眠る〜」とある。尽力された方々にあっては万感の思いであろう。



献花式が始まり、献花台の前に100余名ほどの参加者が集い、被害者の会の方々の式辞を聞く。遺骨回収できたものは500遺体ほどになるが、それはまだ一部にすぎず、残された遺体はまだ正丸峠のどこかに眠っていること。遺体引取り時の被告に対する無念の思い。もはや回収すら不可能と思われる遺体のこと(犯人は大きな犬は投棄したが小さな猫はゴミ処理すらしていた)。そして時には一部の遺体を自ら焼き、それを他者への返骨時の偽装にまで使用していたこと。文字にするのさえ躊躇われることばかりだ。

通り一遍の式辞ではなく、いずれも心痛む話ばかりであることが、この事件の奥深さを物語っている。献花を済ませ、およそ30分ほどで式典は終わった。真夏の日差しが暑い。。。喪服姿の主催者の方々はさぞ辛かっただろう。





改めて思うことだが、この話はどこか他所の世界で起こっていることではない。そしておそらく同じような犯罪は全国的に見れば、まだ摘発もされぬままに眠っているはずだ。正丸峠の事件は、それでも幸いなことに、1個人の意を決した行動によって裁かれるところまで来たが、そしてマスコミの目にもとまり、報道されることによって周知の事実となりえたけれども、まだまだ、こうした実態など何も知らぬままの人も多い。


私自身も個人的な情報のツテがなければ、仮にTVの報道番組を見て、小さな新聞記事に気付いたとしても、おそらく、それ以上の関心は払わなかっただろう。人間というものは所詮そういうものだ。何か身近に感ずるキッカケがなければ、それ以上踏み込んでみることもしないとわかっている。


世に多くの動物愛護団体もある今日、少なくとも「生きている命」に向き合う人々は多い。そして、その活動がいつか報われる日が来るのかもしれない。だから、その人たちは言うだろうか?「生きている命を救うことを優先すべきだ」「失われた命を顧みている暇はない」と。





けれども、今回のような事件を身近に知るようになると、生き物の命(特にペットと呼ばれる命)に対するアプローチは、「生きている命」も「失われた命」も、実は「車の両輪」であることがわかる。「失われた命」を尊び、それを見送った人々の心に平穏をもたらすことが、動物愛護にも別の側面からの改善を促す。命のサイクルを監視する制度は、生まれた瞬間から始まり、それが生涯を通じて大切に扱われ、その死後も正当に保証されるもの、でなくてはならないだろう。


だからこそ、動物愛護法の改正についても、1頭1匹の命をその生涯を通じて監視する仕組みが必要なはずだ。少なくとも今回の事件は、その生涯の「出口」となる部分に対して、新たな一石を投じた意義ある出来事であったはずだし、その波紋が、2012年公布に向けた改正案に与えたはずの影響(火葬埋葬法等)は大きい。少なくとも今後は無許可で、怪しげな火葬業は営めなくなる。


こうして今回、埋葬された500遺体(そしてまだ山中に眠っているはずの遺棄された遺体)が、これから生まれて来る命をも見守る礎となるなら、たとえ僅かでも、被害者の方たちの心も癒されるだろう。





そして奇しくも今日7/26は、事件の被告に対する結審の日だ。被害者の会の方々は早朝より、傍聴券を求めて地裁前に並ぶと言う。このブログをアップする時刻には、もうすでに自宅を出ていることだろう。共同墓地は出来たが、まだこれから先の道のりは長い。
私たちに今出来ることは、この事件を風化させずに、これから先も見守っていくことだと改めて思う。

 



一期一会 | 04:52 | comments(1) | trackbacks(0)
飼い主急逝で残された紀州2頭のその後




●里親急募掲載から現在までの経緯


去る5月20日に「飼い主急逝で残された紀州2頭」と題して、以下の里親急募の記事を書いた。
http://dog.kishu.us/?eid=242


この情報が近隣住民から発信されたのは5/17であり、その翌日の5/18夜には、少なくとも保護団体KによるAmeba上のブログと、某mixiユーザの個人的な日記とでほぼ同時に、各々別ルートからの伝聞に基づく(里親募集の)紹介記事が掲載された。


私もその記事を見て、数時間後にはmixiの紀州犬コミュニティに里親急募を告げるトピックを立て、さらに同日の夜には、自らのブログにも転載記事を書いたが、実はその時点ですでに紀州2頭は、現場から保護団体Kによって引き出されていたことを知らなかった。


私が初期判断として、mixiの紀州犬コミュニティにトピック(記事)を上げたのは、このコミュニティがすでに1200余名の登録者を擁しており、最も効率的に里親候補を見つけ出すことができると考えたからに他ならない。


果たして記事を上げて半日を待たずして、私のところには直接の問合せがあり、2頭飼育を前提とした有力候補として、前述の保護団体Kに紹介するに至った。知る限りのところを述べれば、それ以外にも2〜3の里親志願者からの問合せも発生しており、いずれもmixiから来たとコメントを残していた。


現在は編集消去されており見ることはできないが、保護団体KによるAmeba上のブログ記事に付いたコメントに、そうした志願者からの個人情報(E-mail、電話、氏名)が記載されていた事実を当時確認している。


いずれにせよ、極めて短時間に複数の里親候補を得るに至ったため、5/20の昼過ぎには、保護団体Kからの要請により私も、里親募集を完了する旨のコメントを、自ら立てたmixiのトピックとブログ記事の冒頭に挿入して、その後の経過を見守ることとしたのである。


そして、その時点での保護団体Kからの経過報告では、紀州2頭は一緒に新しい里親に迎えられるよう調整中、とのことであった。その時点までは、異例の早さをもって、すべてが順調に運ばれていると思っていたのだったが。。。


最終結論を述べるならば、今回の紀州2頭は同時飼育という最良の結果には至らなかった。それを保護団体Kの担当者Gは、やむを得ぬ結果と報告しているが、私に言わせれば、担当者個人の知識不足、力量不足以外の何物でもない。引き渡す側にそれだけの熱意と誠意がなければ結果は、おのずと安全側に傾いて終わる。特に今回のように、他にも候補者が控えている場合はそうなるだろう。


ともあれ、こうして不本意な結果となった理由と、そこに至る経緯の詳細および今後の見通しについては、私としても聞き出さないわけにはいかない。ところが、そこから先に至っては、一転して、全く状況報告の義務を担当者G自らが果たさなくなった。2頭の紀州が別々の里親に引き渡されることになったこと以外、一切情報を出そうとはしない。そしていったんは「文句があるなら私にやってみろ」との暴言を吐きながら、私がそれに応ずると言えば、一転してその件については口を閉ざしたままだ。


この異常とも言える「抱え込み」は、私にとっても腹に据えかねる事態だった。そこで保護団体Kの代表者とも直接話し、担当者Gへの要求を伝えてもらったものの、いっこうに埒が明かない。担当者Gは、当初より私から通知した携帯電話での連絡すら拒み続けている。このあきれた閉鎖性、再三の要求にも関わらず何ら果たされない報告義務。最後は保護団体Kからの勧告すら無視したままで現在に至っている。


この非常識極まりない態度を、そのまま見過ごし曖昧に済ませるようでは、この活動母体のためにもならず、私自身も納得がいかない。そこで、然るべき手段をとらせてもらうこととした。すなわち、独自調査による現状把握と、常識に照らして許される範囲での具体的情報に基づく最終報告記事の公開、および報告義務を完全に放棄したままで現在に至る担当者Gの個人情報の特定である。


前者に関しては、この記事の後半が、その最終報告記事となる。後者に関しては、違法性の伴わない範囲で独自に調べさせてもらった。保護団体Kの立場では飽くまで公開できないとの回答だったので、全て独自に調べた。このデータは現在、私だけのものだが、この結果をどう使うかは熟慮して決めたい。


いずれにせよ、今回の一件では2頭の紀州が、それぞれ新しい里親の家庭に入ることとなった。私個人としても、その家庭の方々にまで、今回の顛末の影響を引きずって欲しくはない。何よりも一番の被害者となった2頭の紀州たちには、一日も早く新しい環境に馴染んでもらえることを願っている。

 


●飼い主急逝に伴う紀州2頭の最終報告


まずはじめに、今回の事件の発端となったところから、背景説明を述べておきたい。これまでには一切ふれずに来ている部分だが、事件の背景を正しく理解することも重要だろう。故人への追悼の意味も含め、改めて触れておくことにする。


2頭の紀州の飼い主だった男性(東京都荒川区町屋 58歳)が、急病で入院され10日を待たずして急逝されたのが5月上旬のことだ。遠縁の親戚はいても殆ど疎遠の状態であり、同居家族もおらず単身で2頭の紀州(共に2歳の♀)と暮らしていたという。


それまで紀州の置かれていた状況は、マンション1階の室内飼育。まず飼育許可云々はどうなのかと疑問だったが、どうやら故人本人の所有するマンションだったようだ。つまり飼い主が急に倒れ、病院に搬送されたとき、2頭の紀州はマンションの室内に閉じ込められたままだったことになる。


痛ましいことだが、この飼い主の方も入院先での危篤状態を続け、1週間ほどで亡くなったのだという。そしてこの方の亡くなる間際の最後の言葉が「犬を頼む」だったという。搾り出すようにして伝えた言葉だったと聞いた。


詳しくは知りえないことだが、家族もいない孤独な方だったのだから、臨終に立ち会う親族がいたわけではなさそうである。だからその最後の遺言は、おそらく病院関係者が聞いたのであろう。それがしばらくして近隣の方にも伝えられたようだ(この方が今回のSOSの発信者となる)。


いずれにせよ、危篤状態のまま、そして託す人も思いつかぬままに事態は急転し、今回のようなことになった。その間の1週間ほどは、どうやら2頭の紀州は、餌も水も途中で絶たれたまま、主人の帰りをひたすら待ち続けていたようだ。一般に紀州は我慢強く、そして無駄吠えをしない犬だ。そのことも禍してか、近隣は誰も亡くなった連絡があるまで、今回の2頭を救出する行動に出ることはなかった。


そして(おそらく警察官立会いのもとに)ドアをこじ開け、室内に入ったときには、2頭ともかなり衰弱しており、フラフラの状態だったという。その後は近隣の方が、食餌の世話をし、ようやく回復した時点で里親急募の発信を周囲に頼んだのだ。遠縁に当たる親戚は、この2頭に関する保護義務を(たぶん)一切放棄していた。。。


この近隣の方は、こうして2頭の回復を待ちながら、引き取り手を募るポスターを作り周辺に貼った。初回記事の写真は、そうして電柱に貼られたポスターを携帯カメラで撮影したものが原稿となっている。そしてさらに知己を頼ったネットワークへの掲載依頼。


そして、それに即日応じたのが、私の知る限りでは、別ルートによる2名。一方はmixiユーザであり自らの日記にそのことを書いた。おそらくこの掲載が時刻的には一番早いものだ。そして、それから2〜3時間してから、今度は保護団体KによるAmebaブログへの掲載。この両方を私は見て、それぞれの発信者に対し、まずmixiの紀州犬コミュニティによる紹介記事を立てたことを伝えた。そのあとの経緯は冒頭にも書いたとおりである。


今にして思えば、すでにこの時点で、2頭の紀州は現場から引き出されていたことになる。そしてあくまで結果論となるが、この時点で私自らが動けばよかったとの後悔は今も消えない。

 

さて、こうした紆余曲折はあったものの、今回の急募に関しては、数名の候補者が極めて短時間で上がった。一番早い方は、記事の翌日には親子で紀州の面会にも出掛けており、今回の1頭は、まず先にそのご家庭に入ることになった。現在はトライアル飼育の期間中という位置づけだろう。


ご存知のこととは思うが、こうした愛護団体や里親会が介入した場合は、必ず♀の場合については避妊を同意書の1項目とされる。(私の価値観とは異なるものだが、それはそれで止むを得まい)そして今回の場合は、ちょうど発情期がきてしまったために、その手術は後日行う予定だと聞かされている。


またもう1頭については(他にも候補者はあったが)結局、生前の飼い主との間で、引き取りを約束していたという人物からの問合せがあったのだという。慎重に対処してくれるように私からも依頼した「稀なケース」であったが、どうやら虚偽の申し出ではなかったと聞かされている。証拠写真として以前(もっと幼いとき)の紀州たちの写真を持参し、それには保護されたときと同じ首輪が映っていたのだという。その言葉を信ずるしかあるまい。面会には年配の男性が孫を連れて現れたという。


この2頭目のケースに関しては、その後の報告義務が何ら果たされずにいるので、譲渡前の避妊がすでに行われ、トライアルに入ったものか、まだ預かり先でその期日を待っているのかが判断できない。日数から見れば、すでに引き渡されたのではないかと思うのだが。

 

さて最後になるが、個人情報の漏洩に抵触しない範囲で、今回新しく里親となって下さった方々の情報についても、ご紹介しておくことにしよう。保護団体Kおよび担当者Gに至っては、それすらも秘匿するだろうが、私にはそれに同意する義務もなければ責任もない。目的はひとえに「2頭の紀州が何処に行ったか」を知ることである。個人特定に至らぬ広域的な紹介ならば、何ら問題は生じまい。この程度の紹介が危険だと言うならば、ネットはもっと恐ろしい情報漏洩にあふれている。そのことを知らない者だけが過剰に怖がるのだ。


百聞は一見にしかず。ここにGoogleEarthの表示結果を示しておく。荒川区町屋(A)で保護された2頭の紀州は、それぞれ北と南とに分かれて、貰われて行った。1頭目は、真っ先に決まった中野区に在住のご一家、もう1頭は、荒川を越えた足立区に在住のご一家である。両者はこれで互いの位置を知ることもないのかもしれない。2頭の紀州はおよそ30kmの距離を隔てて暮らすこととなった。






私としては、今回の2頭に対して、これ以上の干渉をするつもりもないが、晴れた日のどこかで、ふっと、北は舎人公園、南は平和の森公園や哲学堂公園などにも出掛けてみたい気がする。偶然に元気良く散歩をしている紀州たちに出会えるような気がして(笑)

 

※無断転載の断り※ 今回唯一の写真は、保護団体Kの担当者Gが撮影したと思われる写真を、mixiのトピックから無許可で転用している。本人が何ら報告義務を果たさないのであるから、私も許可を願い出る必要もない。さらに付言するならば、この写真は単なるコピーではない。私自身の手によって鏡像反転を施し、さらに周囲の欠落部を補修もしている。すなわち単なる盗用には該当しないことを理解されたい。そして原版の写真よりも、むしろ綺麗になったのではないか?(笑)

 



一期一会 | 05:43 | comments(1) | trackbacks(0)
動物愛護情報とTwitterでの拡散




Twitterでは時折、迷子犬情報や、殺処分期限情報を、他者の発信を拡散する目的でリツイート(転載)していた。ところが昨今、やたらとこれらの情報が多い。見過ごせないことも事実ながら、このままではTwitterが動物愛護問題一色になってしまう。それがいやだとか良いとか、そういう問題とは別に、何か不自然な違和感をもったので、今夜は少し続けて、そのことをツイートしてみた。
参考:私のTwilog>http://twilog.org/kishudog

しかしながら所詮、Twitter上のつぶやきであるから、明日の朝になれば、すぐにタイムラインの下に潜り込んでしまうだろう。そこで、ブログに引き出して保存しておくことにした。以下がその一連のツイート。

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しかし、探し犬、保護犬、里親募集、殺処分ゼロの拡散要求は限りなくある。それをことごとくリツイートしていたのでは、きりがないことも事実だ。拡散の必要性は十二分に認めるものだが、何かもっと組織的かつ効果的に広める手段があるはずだと思う。常時これではまたかとクリックしてもらえなくなる。
posted at 00:08:11


例えば「広めるためのシード」を作ればいいのだ。リフォローが多く、かつ動物愛護をメインにしている者に「網羅的に最新情報をツイートする役割」を与え、そのツイートをフォロワーに対して「種まき」をするような仕組みを。連鎖的な拡散効率という点で見れば、私の場合はまだまだ非力なものだ。
posted at 00:16:29


少なくともいまの私自身は、フォロワーを増やすことを目的としてはいない。だから自然の成り行きにまかせている。そこで場当たり的にRT希望と書いてみても、よほどのインパクトがない限り、せいぜい10人に一人がRTしてくれる程度か?それが連鎖しても拡散にはそれ相応の日数がかかる。
posted at 00:22:13


所詮、誰かが枢軸となって、メンバを募り、計画的な周知徹底のためのネットワークを構築しなくてはならないのだろうな。動物愛護という旗頭の元に。効率的に失踪した動物を探し出し、殺処分期限切れの動物を救い出し、飼育放棄された犬猫を救い里親を探す。それをメインでやるには小雪丸には荷が重い。
posted at 00:29:47


ごく大雑把な数値として「一日の殺処分頭数」と「迷子などの発生数」の合計を1000頭と仮定してみたとしよう。地域性も配慮したときに、その1000頭を全て救うためには、いったい何人にその情報が伝わればよいのか?動物愛護団体の周辺だけではダメだ。引き受けられるパイが限られているのだから
posted at 00:41:49


問題は、常に「新しい引き受け先」を開拓しなければならないということに尽きる。1頭を救う1人を探し出すために、いったい何人にそれを伝えればよいのか、100倍の10万人?まだ無理そうだ。それなら1000倍の百万人?それでも難しいのが現状だろう。1000人に1人でもなお。それが現実。
posted at 00:48:18


地方自治体の動物愛護保護センターの状況を網羅的に統括して、日々民間に流す発信基地が必要なのだろう。調べたことはないが、どこかそれに該当する組織があっただろうか?環境省に迷子・譲渡検索のページこそあるが、これを見よというのでは心もとない。http://jawn.env.go.jp/
posted at 00:59:11


迷子>http://bit.ly/d3F5Qt 譲渡>http://bit.ly/cINwAM これら情報は取りに行かなければ得られないプル情報だ。これを逆にプッシュするには?
posted at 01:03:57


深みに嵌るからこのへんでやめる(笑)。それでも、毎日ここを見よとやっただけでは解決にもならないことだけは分かる。発信と受け手の間には、ここでも「仕分け」が必要なのだ。つまり情報の適合性、いわば「お見合い」の成立する何かが。。。その鍵を見つけることが出来れば。。。と思うだけ。
posted at 01:09:09


そうそう重要ことを1つだけ追加>環境省に迷子・譲渡検索のページこそあるが>ここに登録されている自治体の数は全体の何割だろう。少なくとも千葉や神奈川は載っていない。こうしたDBは全てを網羅して、初めて力を持つ。今のままでは「ないよりまし」という程度のものにすぎない。以上で寝る(笑)
posted at 01:16:12


いま環境省に登録している保護センターの自治体>札幌市/青森県/ 秋田県/ 秋田市/ 福島県/ 茨城県/ 栃木県/ 埼玉県/ 船橋市/ 東京都/ 川崎市/ 新潟市/ 長野市/ 岐阜市/ 静岡県/ 豊田市/ 大阪府/ 堺市/ 広島県/ 広島市/ 徳島県/ 熊本県/ 熊本市>まだ少ない
posted at 01:21:47
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さて、明日からまた一週間が始まる。この問題は、また改めて時間の許すときに考えてみることにしよう。皆様の中に画期的なアイデアが潜んでいるかもしれない。何気にそんなことにも期待してみたりもする(笑)
最後となるが私のTwitter本体は>http://twitter.com/kishudog ツイートはそちらで。

 



一期一会 | 01:43 | comments(0) | trackbacks(0)
飼い主急逝で残された紀州2頭



●ご報告●
本件、引取先が内定しましたので、募集を凍結します。
最初に問い合わせがあった方が2頭を迎えてくださる方向で調整中とのことです。ご心配いただきました皆様、ありがとうごさいました。
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このタイトルで書いた紀州犬2頭の引き取り手をいま緊急で探している。昨夜Amebaやmixiの何箇所かに以下のような記事が流れた。目的は、飼い主さんが急逝し、2頭の紀州犬だけが残され、引き取り手が今月末までに見つからなければ処分されるという話を伝えるためだ。


私は先にAmebaのブログで見てTwitterに情報を流し、最後にmixiにある「紀州犬コミュニティ」にもAmebaの内容を転載した。
ところが今夜になって再びmixiを確認していた際、訪問者の履歴から、殆ど同時刻にmixiの日記においても、全く同じ情報ソースが書かれていたことを知った。時刻からするとむしろmixiのほうが若干早い。
この両者は全く別のルートから、Amebaは伝聞、mixiは友人のメール経由で、今回の記事を書いていることもわかった。


ご承知のとおり、mixiは閉鎖コミュニティだから外部からは見えない。そこで私自身は、登録者が1000人を超す「紀州犬コミュニティ」に登録したのだったが、この時点ではすでに日記に書かれた方がいるのは知らなかった。


とりあえず私が転載したルートは、Ameba>Twitter(自動転送でAmebaなう及びmixiVoice)>mixi「紀州犬コミュニティのトピック」の順であった。
そして一日経過した今、紀州・小雪丸日記(本宅と別荘)にも、この記事を落とそうとしている。


知る限りの最新情報を言うなら、現在、Ameba/mixi/Twitterの別ルートで、数名の問合せは出ている。ただし、実現に至るかどうかは現地との調整待ちという状況である。それで念のために、この場においても記事を残しておくことにした。


以下の内容を見て、近隣に可能な方がいないかを確認していただければ幸いである。ちなみに現在保護されているのは東京都内だ。問合せは直接、下記のリンクより行ってもらってもよいし、私宛でも構わない。オリジナル情報はmixiのほうが詳細に書かれているようだが、現在、すでに交渉に入っているのは、やはりオープンなAmebaブログ記載者による紹介ルートのようだ。


●Amebaブログより転載
2010年05月18日(火) 21時23分41秒
【SOS】新家族募集&預かり様募集
---------------------------
飼い主様が急死され近所の方からのSOSです。
今月いっぱいで保健所行きになってしまいます。
紀州犬
2歳 メス(2匹)
性格は◎だそうです。
他のワンとも問題ない!
どうかこの子達の新しい家族になっていただけないでしょうか?
---------------------------
http://ameblo.jp/maro116/entry-10538437096.html



●mixi日記より転載(mixi登録者限定)
2010年05月18日 20:53
紀州犬 と暮らしませんか
---------------------------
知人の知り合いの方が、急に亡くなり犬が2匹のこされました。
58歳の男性の方でお病気だったそうですが、4月の中旬に急に入院され、
5月の初旬に亡くなられたそうです。
ご家族はどなたもいらっしゃらないそうです。
紀州犬 (天然記念物に指定されているそうです)
メス
2歳
人になれているそうです
気立ては穏やかです
白色
この犬が2匹いるそうです。
本日掲示がされ、今週中に処分されるかもしれないそうです。
現在はお知り合いの方が毎日お世話をされているそうです。
掲示されているものを携帯で写真とりましたので、不鮮明かと思います。
直接見てみたい方は下記にご連絡ください。
1匹でもよいかと思います。
連絡先(犬のお世話をしている方):山内さん
                090−○○○−○○○○
ご縁がある方がいたら嬉しいです!!!!
よろしくご検討お願いします。
---------------------------
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1490749383&owner_id=57039



引用掲載した写真は、どうやら、急逝した飼い主さんのご近所の方が、2頭の紀州を撮影し、それをもとに掲示ポスターを設置した模様で、そのポスターをまた携帯カメラで撮影したものが使われている。それを再度私が再編集してここに掲載した。したがって画像は曲がりなりにも良いものとは言えない。


しかし、端正な顔立ちの2頭の紀州の様子は見てとれるだろう。特に左下の写真は、自らの置かれた状況にも関わらず、あどけなくじゃれ付く紀州の表情に心打たれる。


現在、何件かの問合せは、公開一日にして、すでに発生はしている。けれども余談は許されない状況下にあることは確かだ。私個人としては、家族全員の合意を得て、温かい家庭に、分け隔てられることなく、この2頭が揃って引き取られ、まだ2歳というこれからの前途を、改めて保証されることを、切に願っている。どうかこの2頭に良い出会いを。そして急逝された飼い主の方のためにも、どうか朗報を天に届けてあげたい。



一期一会 | 04:16 | comments(3) | trackbacks(0)
正丸峠・遺骨回収最終日のこと




伴侶動物死体遺棄、被害者の会による連休中の遺骨回収作業に、微力ながら参加してきた。4/29〜5/5(うち4/30〜5/1除く)の作業日程中での最終日に当たる5日。参加の事前連絡は入れていない。諸般の事情から参加を決めたのは、当日の朝になってからのことだ。


私の住まいは練馬区なので、有楽町線から西武池袋線に接続し、飯能経由で小丸駅まで、およそ2時間弱の所要時間となる。11:30正丸駅集合とあったので9:40頃に出て、ちょうど集合時刻に正丸駅に着いた。





今回は連休の渋滞や混雑を予想して、車ではなく電車を使うことにした。正丸峠までは被害者の会の方が車で往復すると、公式ブログ記載(http://fblg.jp/inochi/)の内容に従うことにした。しかし結果論になるが、正丸駅の駐車場は意外と空いていたようだ。


正丸駅の改札を出ると、売店の前に10人ほどの集団がいる。うち2〜3人は、被害者の会結成の当日、見掛けた方だったので、回収に参加する旨伝えて、聞かれた名前だけを名乗った。下り電車がその後、11:55にもう1本来るので、それまで待つこととして、その後は5台の車に分乗させてもらい、正丸峠の現場へと向かう。結局、本日の参加者は全部で16名(男性5名)ということになった。






現場に到着して、作業に着手したのは、すでに12時半を少し過ぎた時刻だ。これまでの連休中の作業で、日々、回収場所を変更しながら作業を続けてきたようで、本日はここから、という予定の場所に集まり、まずはガードレールから崖下にロープを張り巡らすことから始める。





先発隊の男性が、まずはロープを木々に絡めながら下ってゆく。同じようなロープを2箇所に落とした。今回の崖は急なところでは、傾斜角40度ぐらいはある。全てが同じ勾配ではないが、スキーなら上級者コースの頂上から下るようなものだ。一帯が全て杉林となっているから、ところどころで木の幹に掴りながら、ロープに沿って急斜面を下ってゆく。

この斜面、下る方が大変だし危険も大きい。昇るときは確かに体力は使うが、まだ何とかなる。しかし急勾配ではもはや、立っていられないので「四足で昇る」ような感じだ。実際、軍手をした両手を前についてしまえば、強引に昇ることは可能だ。しかし折からの天候もあって暑く、かなり疲れた(笑)。





問題の遺骨は、最初はなかなか見つけられなかった。しかし黒いビニール袋に入れて投棄されたものが多いことから、目星をつけたビニール袋周辺を探すコツがわかると、少しずつ発見のペースも上がってくる。

鬱蒼とした杉林の中を踏みしだいて、堆肥のように積もった地面に目を凝らし、静寂の中で、投棄された犬たちの無言の声を聞き取ろうとする。最初はかたまっていた参加者も、中腹まで降りると、あとは次第に散会して行き、周囲には誰もいなくなるときもあった。





この日、自分で初めて見つけたのは中型犬と思われる頭蓋骨だった。見事な歯もそのままに、埋もれることもなく堆肥のようになった赤茶けた地面に、まるで回収を待つかのように置かれていた。すでに長期間風雨にさらされ、日に照らされ、骨自体は真っ白な石灰のような感触であり、その印象は意外なほど無機質なものだ。


もっと悲惨な状況を想像していただけに、この無機質さは逆に有難かった。しかし中には長期間ビニル袋が破れることもなく、半分地面に埋まっていたような遺骨もあって、それらの場合は、黄色や茶色に変色しており、やや正視しがたいものもなかったとは言えない。


そうは言いながらも、この時点で、遺骨回収の頻度は、それほど高いわけではなく10分に1〜2個程度のペースで見つけては拾ってゆく。大型犬の大きな頭蓋骨もあったし、骨盤のような骨もあり、見慣れたイメージの、所謂、棒状の骨も多数あった。足や腕に相当する部分だろう。


ポツンと探し出されるのを待っていたかのように、単独で拾われる骨もあったが、細かいものが集まって、半ば埋まっているような所もある。最初は棒キレで地面を突いていたが、そのうち面倒くさくなって、後半は殆ど軍手の掌で地面をかき分けていた。





作業は途中で1回、場所を移動して再び新しい場所から崖を下り、第2ラウンドに移った。これまでの4日間も、こうして少しずつ場所を移動ながら探し続けてきたらしい。目ぼしいところから優先して始めているようだから、次第に発見のペースは落ちてきているのだろう。


むろんこの一日をもってしても、全ての疑わしい崖下を調べ尽くすことは出来なかった。当然である。正丸峠は長い。その全域を見渡したとき、今回の犯人が、どこからどこまでを投棄場所としていたかは、その歳月が10年以上に及んだと言われている今、本人の記憶をもってしても、聞きだすことは不可能だろう。それほど投棄場所は広範囲に渡っている。


こうして連休最終日の回収作業も、午後3時をもって切り上げることとなった。崖下から四つん這いになって、どうにか這い上がり、さて車道に出ようと思ったら、そこは縁石が高すぎ、3メートルほどもあって、昇り切ることが出来ない。やむなく迂回路をとって、ようやくガードレールを乗り越えた場所は、最初に下った場所から100メートル近く離れた場所だった。どこでも歩けるような場所ではないのである。





杉林の中は朽ちた木々が横倒しになって、行く手をふさぎ、足元は堆肥のような軟弱な地盤で極めて歩きにくい。これが雨天の直後ならば最悪だろう。苔生した地面を掘り返すと特有のカビの臭いがする。投棄されたビニール袋は、大半は車道から乱暴に投げ捨てられたときの衝撃で破れており、またそれを免れたものも、長い歳月で脆くなって破れ、いずれも杉林中腹の幹に引っかかって止まり、あるいは半分土砂に埋もれた状態で散逸している。その一つひとつを引き出し、破いては中身を確認していく。


中にはペットシートのようなものが丸まっており、死骸に添えられていたであろう小型犬の洋服などもあった。不法投棄の場所であるから、数は少ないものの、むろんテレビやレンジのような家電製品も転がっている。これを捨てた者は、また別にいるのであろう。全く日本人のモラルは、いつからここまで地に落ちたのだろうかと思う。




ともかく3時の回収終了を得て、さらなる回収はまた後日、被害者の会で相談して日程を組むのだと言う。全員が崖下から這い上がるのを待って点呼を行い、16人全員の無事を確認した後に、来たときの駐車地点まで戻った。


最後に被害者の方が線香を上げると言う。これまでの連休中の作業で回収した遺骨は全て一箇所にまとめられ、丁寧にブルーシートで包まれて保管されている。聞くところによると一定のキロ数に達するまでは供養に出せないそうだ。シートに包まれて全容は見えなかったが、大きさから判断するなら、現時点で数10キロといったところだろうか。ちょうど人間一人分ほどの量に思えた。





そのブルーシートの前に線香を手向けて両手を合わせる。山火事が怖いので飯能市からも原則、献花や供養のための線香は禁止されているのだそうだ。だから合掌のあとは入念に火を消して立ち去る。


来たときと同様に分乗して、峠を下り正丸駅まで戻り、解散して上り電車に乗ったのは5時少し前であった。こうして小丸峠往復の4時間と、現地での5時間を含め、ほぼ9時間の遺骨回収作業は終わった。俗に「骨を拾う」という言葉はどこでも使われるが、実際に言葉どおりの体験をしたのは、さすがに私も初めてである。


先代犬ユキの葬儀では、むろん直接その骨を拾って骨壺にも納めてはいるが、それと今回のこととは全く次元の異なる話だ。今回の経験で、太平洋戦争の激戦区で戦士した兵士の遺骨を探すご遺族の思いまでもが、なぜか(少しだけ)わかったような気がしている。人間はどんな経験からでも何かを学ぶものだと、改めて思った。今回の被害者の会の方々も、これから様々なことを学ばれるだろう。おそらく、この道は険しく、そして長い。

 



一期一会 | 02:15 | comments(0) | trackbacks(0)
正丸峠事件に新しい動き



(遺棄された遺体に添えられていた金の折鶴=飼い主の思い)


本日の産経と毎日に、新しい報道があった。私のツイッター発信(http://twitter.com/kishudog)から一部コピーしておく。

正丸峠最新:犬遺棄「もうからないので捨てた」埼玉県警が元町議を詐欺容疑で再逮捕へ(産経ニュース2010.4.27)http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100427/crm1004271132010-n1.htm

毎日にも掲載>飯能のペット死骸不法投棄:詐欺容疑でも立件へ。葬祭業者、きょうにも起訴 http://mainichi.jp/area/saitama/news/20100427ddlk11040281000c.html

環境省はペット葬祭業者の法規制に向けた検討を始めた。環境省動物愛護管理室によると、06年6月の改正動物愛護法から、届け出制だったペット販売業者を登録制に規制強化したが、死骸の処理の規定はなかった。5月をめどに規制対象にペット葬祭業者を加えられるかを検討している。(以上毎日)

まだこれからだが、少し明るい日差しが射しはじめたようだ。


[補足] きりがないが一夜明けて4/28付の報道とTBSの動画報道のURLを追記しておく。


正丸峠事件:「犯人詐欺罪で再逮捕」が今日は朝日でも報道されている>「火葬料」詐欺容疑で動物葬祭業者再逮捕 http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000001004280001


TBS News-i でも動画報道(4/27)「ペット葬儀業者の男、詐欺容疑で再逮捕」http://news.tbs.co.jp/20100427/newseye/tbs_newseye4414696.html


●最後に改めて今回の事件の「被害者の会」 公式ブログのURL> http://fblg.jp/inochi/






一期一会 | 15:20 | comments(0) | trackbacks(0)
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