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最初の2年/百枚の写真/我が家の躾



(10枚ずつ初期の写真から並べてみた。写真下の日付から撮影日時がわかるはずだ。先頭の2枚のみ、我が家に来る直前の小ユキを映している)


我が家における躾のポリシー、そんなもの本来何もなかったように思うが、いま改めて、小雪丸を我が家に迎えた2002年6月から、まる2年間という歳月に残された初期の写真を整理していると、無意識の中にも、やはり一貫した独自のポリシーがあったことを確信するようになる。今回はそうした「我が家独自のこだわり」について述べたい。

けれども予めお断りしておきたいのは、ここで述べることについて、私は何ら皆様に推奨しているのではない(笑)。たまたま我が家ではそうしてきて、結果的にうまく行っている、という一つの事例を示しているに過ぎない。だから体質に合わない方も多々おられるだろう。そうした方には、もちろん公式どおりの飼育ルールをお薦めする次第だ。



ちょうど2ヶ月ほど前(10/28)登録した記事「犬たちの自己主張」で、散歩のスタイルについて書いたことがある。
犬に引かせてはいけないと、多くの指南書、躾の本などでは、半ば定説ともなっている話について、ここで我が家におけるポリシーを再考しておきたいと思う。
改めて言うが、私は犬たちに自由に引かせている。そして、これは我が家における飼育方針の根幹をなすものであるから、まずこの場を借りて「言い訳」をしておかなくてはならない。
傍から見ると顰蹙を買うかもしれないが、我が家の散歩スタイルは、実は「あえてそうしている」のであって、間違っても「躾けに失敗した結果」ではないということを、宣言しておきたいからだ。

何より、私は犬たちとの散歩を「スポーツ感覚で楽しむこと」が好きだ。どういうことかというと、2頭引きの散歩はかなりハードなので、それに耐えるだけの体力も必要だし、2頭が急に異なる動きをすることも、決して少なくないので、神経は常に研ぎ澄まされた状態に置かなくてはならず、そうした緊張感がたまらなく好きだからだ



小雪丸がまだ5歳を迎える以前は、両者ともに引きが強いので、いつも半ば走るようにして、散歩を続けて来た。やがて5歳を過ぎた頃から、雌の小ユキは、自然とヒールの位置につくようになったが、雄のユキ丸は今も、まだまだ血気盛んで、グイグイと先頭を切って、身体を斜めに傾けるようにして進んでゆく。私はその元気な姿を見ることが、なによりも嬉しい。紀州がおとなしく主人の真横を歩いているようでは「サマにならない」とさえ思うのである。これは私自身のエゴかもしれない(笑)。

2頭引きの散歩は、すでに書いたように、予想外の動きに対する「反射神経」も欠かせない。それは、ある意味では老化防止にも役立つ(笑)。全ては自分の健康維持のためでもある。

一説に「引かせると自分がボスだと思う」との見解がある。けれども、我が家で一番先頭を切って進むユキ丸の順位は、実は我が家では、最下位に位置しており、これは紛れもない事実である。ユキ丸は小ユキに頭が上がらないし、その小ユキですら私には常に従う。それでも、先頭を遮二無二行くのは、いつも最下位のユキ丸と相場が決まっている。しかし、間違っても彼が下克上を狙うようなことはあり得ないし、彼の穏やかな従順さは、7年の歳月を経ても何らゆらぐことはなかった。




私が意識しているのは、常に自然体であること。そして唯一、ルールと決めているのは、小ユキをユキ丸に優先させる、ということぐらいだ。つまり(わずかな時間差だが)、散歩時に首輪を装着するのも、帰宅して身体を拭き室内に入れてやるのも、食餌の器を差し出すのも、必ず小ユキが先、という徹底したルールだ。それだけは守り続けているが、あとは自由奔放に振る舞うことを許してきた。

例えばマウントも、主人に対しては「決してさせてはいけない」という定説がある。すべては主人と愛犬の体格差を考慮して言われるべきことかもしれないが、少なくとも大人の男性と、中型の紀州という組み合わせにあっては、よほど凶暴な犬でないかぎり、体力負けすることはない。だから、テンションが上がって、自分たち同士の「マウントごっこ」の矛先を、私に向けてくるようなときでも、私はあえて叱ったりはしない。

むしろ突き放し、抱きすくめ、着ている服の裾を頭にかぶせ、共にそれを楽しみ、遊んでやるようにしている。むろん、ほどほどの「引け際」を判断することは重要である。だからと言って、それぐらいのことで犬たちが、主人を凌いだと考えるとは、とうてい思えない理屈だ(笑)。

ゼイゼイと荒い息をつく、愛犬の額の皮を指でつまんで、頭の方向に引き上げてやると、私の目には愛犬が「参りました!」と言っているように見える。その愉快な表情をさせる遊びは、私にとっても(たぶん犬にとっても)楽しい至福の時間となっているから(笑)。



去勢も避妊もせず、雌雄2頭の紀州を飼育することは、かなり大変ではないか?実は当初、私もそう考えていた。先代の愛犬も紀州系だったが、それは12年半の歳月、終始1頭だったし、その扱いでさえも、それなりの体力を必要とすることを、経験済みだっただけに、その倍の力を同時に捌くことを思えば当然だろう。

だから、それ相応の覚悟をもって、当初から2頭には真剣に接してきたつもりだし、幾度も通過する発情期のコントロールにあっては、普段の数倍ものエネルギーを、飼主もまた絞り出さなければならないことも、最初から充分理解していた。

ともあれ小雪丸は、およそ「躾け」という不自然な人間本意の介入を経験せずに育った。けれども、室内飼育で、しかも初期の数年を「1人と2頭」で集中飼育できたことは、何よりも大きな他所との違いだろうと考えている。現在でこそ同居者がいるが、長きにわたって、彼らを引率し、声をかけ、誉め、ときに叱り、そうして、わかってもわからなくても、私は犬たちとの会話を楽しんできた。犬たちも、そこから日々、何らかの教訓を得て、してはならないことを、ごく自然に学んでくれたのだと思う。

あえて言えば、指導者が私のみだったことで、命令や行動の抑制については、終始一貫性があり、決して「ブレることがなかった」ことも幸いしているはずだ。家族が多ければそれだけ方針も徹底されなくなる。




かくして、小雪丸には、以下のような特長があるが、いずれも躾として意識したことはなく、ごく自然に、現在も守られている。むろん1〜2歳ぐらいまでは、多少のおきて破りはあったかもしれない(はっきり記憶しているのは1回だけ、小ユキがカーテンの裾を破ったことぐらいか)。けれども今は、カーテンやソファー、クッションなどについても(自分たち専用に与えられたもの意外は)、決して破壊工作の対象とはしないと断言できる。

またテーブルの上に置かれたものは、たとえ鼻面が届いても、決して勝手に口を出さず、ソファーや椅子の上には、それが簡単に上がれる高さであっても、来いと言わないかぎり、自分から上ろうとはしないはずだ(初期にソファーのない生活をしていたので自然にそうなった)。また、電源コードや危険なものは極力、低い位置に配置せぬように気をつけてきたが、それら対象物を玩具とみなして噛み付いたりも、決してしないだろう(これも初期にはことごとく1.2m以上の高さに配置していたから)。




掃除機に対する反応も同じだ。たとえ周囲にノズルを滑らされても、おおむね静かに寝ており、邪魔をすることも(殆ど)ない。食餌に対する「待て」は、いつも有効で我慢できるし、どんなに食欲があるときでも、エサの器に手を入れて、取り出したり、追加したりすることをしても、何ら抵抗を示さずにいられる。

そして何より(発情期やごく特殊な場合を除けば)、全く「無駄吠え」がない。たまに嬉しくて雄たけびをあげることがあるくらいだ(笑)。けれども、それを「無駄吠え」とは、誰も呼ばないだろう。かつて暮らしていた「ペット共生マンション」の隣人の方からは、「静かでいるのかどうかもわからない」という、お誉めの言葉まで頂戴している。お世辞だろうか(笑)。




私はこうした人間との共存に欠かせない制約について、何ら意識して躾けた記憶はない。仔犬のころは時折「だめ」と言いながら、片手で軽く制した程度である。すべてはごく自然に覚えてくれたことだ。その点でも紀州は、もしかすると「すばらしい家庭犬」なのかもしれない(笑)。

いつも控えめで静かで、それでいて、どこか誇り高くもあり、凛とした気質にあふれている。感情表現は世間一般の犬と比べると、やや変化に乏しいかもしれないが、私にとっては、それが最も紀州らしい美徳に思える。このように、家庭内では「殆ど何も悩むことはない」ものだから、世間一般で言われているような「問題犬」がどうしてできるものか、正直なところ、全く私には理解できないことばかりだ。



少なくとも我が家では、散歩で引くなと言わないことが、不自然なストレスを溜めることなく、素直に成長できた一因ではないかと思っている。そして何より、我が家での散歩時間は長い。平日はともかく、週末は2時間を標準とする。仔犬の頃は3時間半という最長記録も残っている(笑)。おそらく犬という生き物は、手間暇さえ惜しまなければ、必ず飼い主の期待に応えてくれるものだ。私はそう確信している。

唯一、困ることといえば、小雪丸には「2頭の世界」が出来てしまっていることぐらいだろうか。そのために、外部の犬に対しては、上位の小ユキが(たいていは警戒し)迎撃する役割も担当する。そうなった原因の背景には、たぶん私自身の「人付き合いの悪さ」があるのかもしれない(笑)。積極的に犬の飼主同士の会話を好むわけでもなく、自ら話しかけるようなことも殆どしてこなかったために、小雪丸も他の犬に対し、友情を深めるような機会を、あまり与えられなかったからだと思う。これだけは今となれば多少悔やまれることだが、それ以外の気質については、2頭それぞれの良さを認めながら、極めて満足している。




そう考えると、我が家の紀州は、あらためて素晴らしい犬だ。飼主には多少問題があるかもしれないが(笑)、それゆえに「犬たちとの関係」は、うまく行っているのだろうな。。。



小雪丸稿 | 06:14 | comments(1) | trackbacks(0)
コメント
補足:Web確認後、携帯から確認をすると、SBの場合でコンテンツエラーが出る。けれどもエラーを出しながらも、かろうじて全データが表示されているようなので、分割処置は行わないことにした。いずれにしても携帯画面から、この小さな写真は、、、見にくいでしょうね(笑)。
from: snowy | 2009/12/23 6:54 AM
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