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小雪丸機械論!?



(先週末撮影分から流用:落ち葉舞う公園)


ドラメトリは18世紀フランスの哲学者で医師。彼の著書「人間機械論」には、人間を精神と肉体とでできた機械とする思想が描かれている。何箇所か際立った主張をご紹介しようと、いま旧岩波文庫の蔵書を探したのだが、どこかへ紛れ込んだらしく、あいにく見当たらない(笑)。やむなく引用は、またの機会に譲ることとする。


いっぷう変わった出だしで始まった今回の記事だが、タイトルにも掲げたように、実は私にも小雪丸の日常を観察するにつけ「小雪丸は機械ではないのか?」と、ふとそう思う出来事の数々がある。今回はそうしたお話を少しだけさせて頂きたいと思う。中でも発情期から偽妊娠に至る一定期間には、随所にそうした出来事が見受けられる。


つまり、小雪丸が約9ヶ月周期で繰り返す発情期と、それを抜け出した日から起算して、約60日後にやってくる偽妊娠もまた、正確に繰り返される生理現象として、極めて機械的な特徴を備えている。その周期的に予想可能な発生パターンや、併発される様々な出来事が、意外にも論理的に説明可能な実例に事欠かないからだ。その中から、幾つか着目してきたものを述べておくことにする。例えば以下のようなことだ。


●発情期

発情期のクライマックスは普通、判で押したように「ほぼ数日」であること(このことは過去記事「間もなく発情期を迎える」http://dog.kishu.us/?eid=254 などにも詳しく書いた)。


これは普通の飼育環境、つまり去勢避妊を施した多頭飼育や(未避妊であっても)雌だけの単頭飼育では、この「inとout」がなかなか把握できないだろう。いつが一番受胎に適した時期であるかは、多くの飼育書にも書かれているように、「初めて出血を確認した日から起算して10〜14日目である」などという記述で、一般的にも知られている。


けれども、その出血量自体にも個体差があり、場合によっては殆ど認められない場合もあるから、よほど真剣に観察していないことには、飼い主とて、その起算すべき日を確認することができない。それがその後の日数計算を難しくしている。事実出血など殆どない個体も、決して少なくないとさえ言われている。


ところが我が家の場合は、そうした見落としがあっても大丈夫だ。それは牡の相方を見ていればわかる。つまり健康な未去勢の牡が示す行動パターンは、とても単純で機械のように正確だ。ユキ丸が小ユキに執拗にまとわりつくようになってから一定の期間を経ると、ある日を境に、それまでとは格段に違う執着度を示すようになる。散歩中もすぐに背後に回りこもうとするし、引き離すと吠え立てるようにさえなる。一言でいえば、まさに「狂ったよう」になるのだ。


そしてこの興奮(クライマックス)は、ほぼ正確に5〜6日間続く。いわばこの期間が「受胎にも最適な期間」ということになるのだと思う。自然の摂理に従って彼らは「機械のように」その期間だけ強く反応し、そして最適な期間を過ぎると、文字通り「スイッチが切れた」かのように放心状態となる。その変貌はあたかも機械仕掛けの玩具を見せられているかのようだ。彼らは本能(と嗅覚)によって、おそらく唯一のチャンスが失われた時期を悟るのだろう。

 



(天ヘソで寝ている小ユキ、偽妊娠で母乳が出る)


●偽妊娠

また偽妊娠についても同じことが言える。上記クライマックスの完了から起算して、毎回ほぼ60日〜62日を経過した時点で、最も小ユキの母乳が出るようになる(本来ならば、これがまさに出産の時期となるのだ)。50日目頃から少しずつその兆候を示し、60日目頃からは延々2ヶ月近く母乳が止まらなくなる。


その間、出続ける母乳を小ユキは自ら一日中、舐めているようになる。ときおり声をかけてやめさせるが、これも考えると自然の摂理に反することになるのだから不憫な話だ。しかし終始、母乳を自己回収しているので、胃腸が発酵しやすくなるのか、ゲップや放屁が出やすくなるのも人間と同じように見える。


舐める動作を止めさせるために、腹帯を巻いたり、エリザベスカラーを装着するなどの対策を考えたこともあるが、小ユキに不健全なストレスを与えても良くないと、それだけは敢えてしないようにしてきた。代替措置としては、散歩後や食餌後などに様子を見ながら、ウエットティッシュで腹部を拭いてやるようにしている。目的の一つは母乳の吸い取りと、もう一つは腹部を清潔に保つためである。そして、ちょうど現在の小ユキが、まさにその時期にある。


●穴掘り

また、この偽妊娠の少し手前になると(およそクライマックスから45日ほど経過した頃から)室内での小ユキは、普段なら滅多にしない座布団カバーの引っ掻き回しを執拗に繰り返すようになる。また一方で屋外においては(例えば駐車場に放すと、ユキ丸の挑発には応ぜず、遊びたいユキ丸を全く無視して)庭の片隅のコーナーなどを一心不乱に掘るようになる。


つまり室内でも屋外でも、思い立てばすぐに「穴掘り」をするようになる。室内の座布団に対する行動も同じ欲求から出ていることが容易にわかる。この時期、偽妊娠の少し手前からこうした行動が始まり、偽妊娠期間に入っても、およそ1ヶ月ほどは、この行動が続く。当初は謎だったが、やがて私は、この行動を「産床を作る準備」と解釈するようになった。


そう考えるとあらゆる状況が、私の仮説を支持しているように見えるから不思議だ。そして間違いなく、この動作は毎回、小ユキにとっては偽妊娠のときに限って(機械的に)現れるのである。むろん牡のユキ丸には、このような定期的な欲求はない。遊びに誘いながら小ユキを挑発しても、相手にされず怒って吠えたりもするが、私だけにはその理由がよくわかっている(笑)。


こうした行動もいつしか「推理が現実」となり、一定の法則めいた繰り返しが起こっていることがわかる。そのいずれもが、私の目には極めて機械的に映って見えるものだ。こうした発見はおそらく、未去勢・未避妊の雌雄2頭を共に飼育することによって、初めて気付くことなのではないだろうか。互いの示す反応にも幾つもの面白い現象がある。そうした細やかな機微についても、いずれ機会を見ながら触れてみたいものだ。

 



(ユキ丸は天ヘソでは寝ない、いつも控えめな寝姿)


付記:そういえば、今回のテーマには直接関係のないことだが、先週末に小雪丸にフィラリア予防薬を飲ませた。我が家では毎年フィラリア予防薬の投与を、11月中旬で最終回としている。つまり半年分を6月〜11月で消費するわけだ。近隣の獣医師からは、実は毎年12月までの投与を勧められている。けれどもこの件に関しては、私の判断で従わないようにしている。過剰摂取を避けたいなど、幾つかの独自の考えもあって、そうして来たものだが、少なくとも先代のユキも小雪丸も、この期間のみの投与で(過去20年間)一度たりとも陽性になったことはない。

 



小雪丸稿 | 01:48 | comments(0) | trackbacks(0)
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